「赤富士」
宇宙のなかの富士山
親しい叔母からお正月に飾りたいから、「赤富士」の掛け軸を描いてもらえないかと頼まれました。「えっ、赤富士ですか?」(横山大観とかのあれ?)
それからが大変でした。何せ実際にみたこともないですし。ネットで赤富士を検索したり、いろんな人の作品を調べたりと。まずは滲まない紙、熟宣を引っ張り出して、描き始めました。
それがいろいろやっているうちこんな富士山が出来上がりました。雪の部分を白く残したかったのはやまやまですが、描き進めるうちに、ついに残しきれず、白いところは胡粉を使い、雪や雲を表現することになったため、なんども画面にシャワーをかけ、粉っぽさを洗いおとしながら、描き進めた労作となりました。
いつもお願いする表具屋さんの清水かせんどうさんも、「ここは一つ霞を入れてみましょう。」と。霞の強い横のラインが結界のような効果をもたらして、神秘的な富士山に仕立ててくれています。
叔母はこの富士山をとても気に入ってくれて、床の間に飾って、時々手を合わしてくれているようです。なんともありがたいことです。
2014年3月6日