「夏の小作品」2016より(1)

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「夏の作品」をこれから紹介していきます。まずは去年の夏に描いたものからご覧ください。

「真夏の作品」の特徴は制作の際、水道水で洗ったり、タワシでこすったりして、画面に偶然性を取り入れようと、四苦八苦いるところにあります。

何せとにかく熱いものですから、集中力は消え失せ、描いているともうろうとしてきます。たましいが冴えわたるような墨の線など描けるものではありませんので、複数の作品を同時に制作しています。作品の前を通るたびに気になるものを取り出して、描いたり、洗ったりして、「作為」と「偶然」の間をさまよって、真実を求めて探し物をしているような感じです。絵に「真実」があるのかどうか。

この作品は爽やかな初夏の始まりに描いたもので、ワトソン紙に水彩でさっと描いたもので、葛藤がなく、見ていて救われます。

縦にしてみると大きな気が立っているように見えます。どこか公園のような感じです。

水彩の着彩だけなどで、画仙紙に描いたような雰囲気が残っています。紙の白を残してるためでしょう。絵の具のにじみのせいでしょうか。空気感があります。

 

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