アッシリアの皇子

 

大英博物館と聞くと古代エジプトのミイラの展示とかロゼッタストーンを思い浮かべる人も多いだろうが、私はずっとアッシリアのレリーフに魅了されている。

2018年から2019年にかけてロンドンの大英博物館において特別展、

『I am Ashurbanipal: king of the world, king of Assyria』

が開催された。

 

Ashurbanipal、アシュニールパルとは古代アッシリア帝国の王であり、大英博物館に第10室の「Lion hunts (ライオン狩り)」のレリーフに描かれる人物である。

ここで、そのレリーフを紹介するのはなんとも気が引けるとこであるが、どうぞこの作品との優劣を問わないで欲しい。私がこの作品を創った心情のようなものに寄り添っていただけたらと願って紹介してみよう。

実はこの展覧会、大英博物館のチケット売り場に並んだが結局見ることはできなかった。当日の予約はすべて売り切れ。翌日ならあるということだったが、その日の夕方の便で帰国することになっていたので、残念ながら、再会はかなわなかった。

 

 

このとこ大英博物館では日本美術に関しての興味深い展覧会を企画している。

2019年には『Manga マンガ』展、さかのぼって2013年の『Shunga」展。

コロナの大流行でもう大英博物館にも行くことも出来ないだろう?

ロンドンに滞在していた頃、小さな娘を連れて、専攻した中国陶磁の資料の写真を大英博物館に撮影しに行ったことがある。撮影は長時間になり、娘はベビーカーの中で眠ってしまった。次の陳列ケース、次の陳列ケースへと写真を撮って進んで行った時、後ろの方でインド人の守衛さんが「小さな子どもが置き去りにされている!」と大声で叫んだ。たくさんの人たちが娘を取り囲んで見ていた。守衛さんからこっぴどく叱られた。私も夫も危うく犯罪者になるところだった。

それ以来なのか娘は博物館が嫌いになったようだ。

コロナが流行してつくづく思った。ひとはリアルな体験の中で自分を確かめながら生きていると。