ガッシュとクレヨンによる小品 2.

ガッシュとクレヨンによる作品の一部分です。

 前回の「ハサミ」の水墨画の作品に比べ、ポストカードほどの大きさしかない小さな作品のそのまた小さな部分の写真です。

 しかし、制作には何日もかかっています。目の粗い水採用のミューズコットンという紙を使用して、まずクレヨンで、おおまかに線や色を着け、その上からガッシュという不透明水彩の絵の具で着色しています。当然のことなのですが、クレヨンは油性のため、水をはじき、うまく水彩の絵の具がのりません。薄い絵の具は水分が多いので、紙がその水分を吸ってまるまり始めると、コロコロところがって思ったところに留まりません。絵の具だまりのようなところが生まれます。こうして少しずつ画面に質感が出来てきます。

質感と画像の回転

 

 たとえば、このあと、ナイフの先でわざと削ってみたり、時には画面をタワシで洗ったり、いろいろやってみると画面のような質感が生まれました。クレンヨンが剥がれたようなところはどこか古い壁画が剥がれているのような感じもします。画像をぐるっと回転させると、別の絵になりました。クレバスのような窪みからみた月が今度はその窪みに入って近づいていこうとする何かに見えます。