英国 「Norwich」で個展を開催しました。〈3〉OPEN NOW !
いよいよオープンです。
展示室は前後ふたつのお部屋からなっています。真ん中に2階に上がる階段があってそれを挟むようにしてガラス越しに外が見えるようになっています。2階はギャラリーではなく、別のひとが住んでいます。ときどき犬を連れて降りてきました。後ろの部屋の奥には小さな部屋があって、若い男性がアトリエとして使っていました。もともとこの建物はハンドメイドの靴屋さんだったそうで、前側のスペースでくつを販売し、後ろ側のスペースで主人がくつを作ったり、接客したりしていたそうです。そのため前側の部屋はとてもオープンな感じで、反対に後ろ側の部屋のスペースはごくごくプライベートな感じになっています。いずれにして展示のポイントはこのオールディーズな良さをうまく引き出したうえで、古くささを消して、いかに清新な雰囲気に仕上げるかということです。日本の和室に来たような、青畳の香りのようなイメージにつないでいけたらいいなあと考えました。 サラさんが手伝ってくださって、作品の配置と展示をすすめました。
まず、前のお部屋から作品を吊るしていきます。こちらの部屋は全面ガラスでとにかく明るいので、キャラクター的な元気のある作品を展示することにしました。
最初はこんな感じの壁です。
作品を展示すると、
そして外に出てギャラリーを見てみると、
もう一度なかに入ってみると、
ドア越しに奥の作品が見えます。 作品名『oniyama]
そこから階段を右に見ながら奥のへやに進みます。奥の部屋はかなり暗い。 日本のギャラリーの感覚からするとほんとに暗く、照明を当てるという考えがないようです。ここでは逆にその暗さをどのようにいかせるか、それが展示のコンセプトにまりました。
さて、後ろの側の展示室はこんな感じです。
古い寺院の本堂やあるいは書院の床の間などはほとんどがほの暗いものでです。電気のなかった時代にはロウソクのあかりをたよりに仏様を拝顔したり、掛け軸を鑑賞したりしたわけでしょうから、ライティングされない空間のなかで人々が私の作品をどのように見て感じていただけるのかということだと考え直しました。
ヨーロッパの人々にはキャンドルを好む習慣があるので、電気が普及した今日でも住宅のなかは日本ほど明るくありません。ラテン系の民族例えばイタリア人やスペイン人についてはよくわかりませんが、ゲルマン系の人々は間接的な照明を好むように思います。暗い冬が長く夜を楽しむことが上手なのかもしれません。
実際、展覧会の会期中に「展示室が暗い感じて落ち着いて作品を鑑賞できるね。」といった声を何人もの方からうかがいました。私の作品はご覧になられる方の心の中でイメージを膨らせて見ていただくことで完成すると考えますので、日本のギャラリーのように、それぞれの作品にいちいちライトが当たっていなくてもよいのかもしれません。心の眼でものを見るにはほのぐらいほうがむしろよいのかもしれません。
さて作品を展示してみると後ろの部屋はこんな感じになりました。
清新な感じは醸し出されたでしょうか?
床をきれいに見せるためにシダのポットを置いてみました。また日本のお寺のて石庭にあるように青竹を使って結界を作ってみました。マントルピースと青竹の結界組み合わせによって、マントルピース黒くて重々しい存在感を少し、自然に作品に眼が移るようにしました。(写真はモードを変えてあるので明るい感じに写っています。)また、道路側にはお客様をお迎えするためにミニ石庭を作ってみました。
ーつづくー
2014年12月8日