水墨画体験を!

 

他の絵画表現と水墨画のもっとも大きな違いはなんだろう?

それは白の絵の具を基本的に使わないことにある。もちろん、同じ材料を使用する花鳥画では白い絵の具を使用することも多い。特に紙の裏から、彩色をほどこす裏彩色の技法では描く対象の白い部分をより際立たせるために、白い絵の具を裏から塗布することもある。たとえば伊藤若冲の描く鶴の羽には白、たぶん胡粉が裏彩色されている。じっくりと時間をかけて完成度を高めていく作品には白の絵の具は必要である。その制作には礬砂をひいたにじまない紙を使用する。

一方、墨絵のような描き方の場合、にじみ易い紙を使い一気にかきあげるので白の絵の具をつかわない。白とは余白であり、描けば描くほど余白はうしなわれ、白い部分は消えていく。墨によって、白と墨の拮抗関係がうまれ、陰陽が逆転する。

余白は墨海とひとつである。

以前、英国のノリッジで地元のアーティストの方に水墨画の体験をさせてあげた。

三人三様の水墨画の作品がうまれた。

 

水墨画体験 3

 

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