「黄土高原」

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黄土高原を旅して

DSC056332016年の夏、私は考古学者の夫と中国陝西省神木市シーマオ遺跡を見学することができました。

黄土高原で発見されたこの遺跡は近年発掘され、新石器時代後期から「夏王朝』前期に相当する遺跡で、近年発掘が開始し、二重の大規模な城壁を持つ城址であることが発見されて、非常に注目されています。

河南省を中心とする中原地域以外にも中国文明と初期の王朝がどのように形成されてきたのかを考える上で、極めて重要な発見となるようです。

黄土高原は川が降り積もった黄土の地層を浸食して、無数の渓谷と切り立つ崖形成された独特の地形をしています。

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人々はその黄土のきりたった崖の下側に横穴をほって、それを住宅にして住んでいます。ヤオトンという住居の形式です。中はアーチのようになっていて、外からみるとそのアーチ型に障子と扉が入れ込まれて印象的でした。

この作品も例によって最初から黄土高原のことを描こうとは思わなかったのですが,水平に重ねていった線のリズムが黄土高原の渓谷と崖の繰り返しとかさなってイメージがかたまっていきました。その水平の線の広がりをアーチで結びあわせたら、ヤオトンの村の記憶とつながりました。

 

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IMG_0983なにかいる?鳥のようにも、動物のようにも見えてきます。