淡雪

 

淡雪には色があるようです。

ごく薄い墨にいろいろな色彩絵具をぽたぽたとたらしてみると、淡雪がとけるときなような、手で触れると確かに冷たいけれど太陽の光を吸収してほんのりと温かそうな、そしていろんな光を感じさせるようなそんな瞬間が画面にできました。科学的に言うと雪は大気中の小さなチリを核にして、その周りに水蒸気の粒がどんどんくっついでできたものだそうです。融けてしまうとそのチリの核は当然肉眼では観察することはできません。でもその中心には水蒸気の小さな粒たちを惹きつける微粒子たちの色彩の粒があるように思います。真っ白な雪に包まれて。

 

PM2.5について

 

しかし、このところのPM2.5の問題で、雪が降ることをそう歓迎できなくなってきました。雪の結晶のしんとなる部分に大気中のチリとして、つまり直径が2.5μm以下の超微粒子の微小粒子状物質で大気汚染の原因物質である浮遊粒子状物質(SPM)が含まれることがあるそうで、そうのん気に空を見上げ、ぽかんと雪について思いをはせることもできなくなってきました。本当に残念です。